経営者の孤独について ~社員と対等の立場~
経営者は、従業員と立場が違う。
経営者とは、簡単に言えば
「会社全体の責任者」に他ならない
ということです。
経営者は、最終的な決断をしなければいけない立場であり、問題が発生した時に、責任をとる立場でもあります。
また、経営者が持つ裁量は、労働者と比べても広いものがあり、同じ立場や経験でモノを言えないという部分があります。
経営者と労働者は相対する性質を持つ
このことに留意しない限り、経営者は、自らの孤独を解消はできないのです。
中小企業家同友会は、「人を生かす経営」を提唱し、冊子にしています。
同友会の会員は、この冊子を「労使見解」と言って、経営のバイブルにしていますが、この冊子に一番目に来るのが「経営者の責任」です。実は、ここに「経営者の孤独」の本質が現れています。
われわれ中小企業をとりまく情勢や環境は、ますますきびしさを加え、その中で中小企業経営を維持し発展させることは並大抵のことではありません。しかし、だからといってわれわれ中小企業経営者が情勢の困難さを口実にして経営者としての責任を十分果たさなかったり、あきらめたり、なげやりにすることが間違いであることはいうまでもありません。
中小企業における労使関係の見解(労使見解) – 一般社団法人 北海道中小企業家同友会 (doyu.jp)
経営者は「中小企業だから、なにも言わなくても労働者や労働組合はわかってくれるはずだ」という期待や甘えは捨て去らねばなりません。これでは自らの責任を果たしているとはいえないのです。
経営者である以上、いかに環境がきびしくとも、時代の変化に対応して、経営を維持し発展させる責任があります。
経営者は企業の全機能をフルに発揮させて、企業の合理化を促進して生産性を高め、企業発展に必要な生産と利益を確保するために、全力を傾注しなければなりません。
そのためには、われわれ経営者は資金計画、利益計画など長期的にも英知を結集して経営を計画し、経営全般について明確な指針をつくることがなによりも大切です。同時に現在ほどはげしく移り変わる情勢の変化に対応できる経営者の能力(判断力と実行力)を要求される時代はありません。
新製品、新技術の開発につとめ、幹部を育て、社員教育を推進するなど、経営者としてやらねばならぬことは山ほどありますが、なによりも実際の仕事を遂行する労働者の生活を保障するとともに、高い志気のもとに、労働者の自発性が発揮される状態を企業内に確立する努力が決定的に重要です。
経営の全機能を十分に発揮させるキーポイントは、正しい労使関係を樹立することであるといっても過言ではありません。
実は、こういう覚悟を持っていると、経営者は孤独でなくなるのです。ここに書いてある
経営者は「中小企業だから、なにも言わなくても労働者や労働組合はわかってくれるはずだ」という期待や甘えは捨て去らねばなりません。これでは自らの責任を果たしているとはいえないのです。
の一文こそ、経営者の孤独の本質だからです。
まとめ
責任を果たそうとするとき、人は不思議なほど孤独ではなくなります。
経営者の責任は重いですが、その責任を果たそうと邁進することで、経営者の孤独は解消されていくのです。